くまちゃん

タイガー・バレットのくまちゃんのレビュー・感想・評価

タイガー・バレット(2018年製作の映画)
2.6
タイガー・シュロフ無双映画!

インド版ランボーという触れ込みだったが、攫われた娘を奪還せしめるというのはどちらかといえばコマンドーでは?

バルカン超特急やホワイトプランのような、自分さえも信用できないサスペンスフルな展開。
90年代の筋肉映画を彷彿とさせるアクション。
インド映画特有のミュージカル。

楽しめる要素は多いはずなのだが…

初めにサスペンス。
元恋人ネーハの娘が誘拐され、捜査する主人公。しかし話を聞く相手が悉くそんな娘は最初からいないという。それどころかネーハには妄想や虚言の傾向があるとさえ言われる。
古くから使われてきた設定ではあるが、緊張感があり、展開が気になる。
しかし、2時間20分という長尺のため、観客の心を離さない工夫が必要だと感じた。設定を使い回しているだけで独創性に欠ける。その上、ネーハが物語からフェードアウトすることで、集中するべき事象は誘拐事件のみとなり、観客の興味が半減する。守るものが多いほうが、見るもの(私)は興奮する。
注目すべき軸が一つ減るのであれば尺を短くしたほうがとの個人的見解。

次にアクション。
主演のタイガー・シュロフは彫刻のように美麗な筋肉を持ち、映画内の殺陣を見ても柔軟性があることが窺える。
だからこそ残念。
アクションシーンで多用されてるスローは効果的とは言い難く、単にテンポを悪くしている。殺陣の肝は受け手側にあるのだが、明らかに打撃が当たる前にリアクションをとっている部分が複数あり迫力に欠ける。論理の破綻した荒唐無稽アクションが多いがランディープ・フーダーは動きもキャラもよかった。

最後にミュージカル。
映画に歌唱やダンスが盛り込まれるのは純粋に楽しめた。インドの国民性やボリウッドの伝統等の理由もあり、力の入れ具合が感じられ、美麗で優雅で豪華絢爛。ただ、長い。主人公ロニーとネーハの馴れ初めから破局までを15分程度のミュージカルで3回ほど挿入されていた。
正直長い。もう少し簡潔に短くまとめていただければと感じた。

インド映画自体は好みの作品もあるが、アクション映画への愛が強すぎるがゆえ、厳しく見てしまった(ー_ー;)
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