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冥界婚の010101010101010のレビュー・感想・評価

冥界婚(2018年製作の映画)
4.4
途轍もない衝撃作。ぶったまげた。
まさに聖と俗が同居した、これぞ「藝能」というものの迫真の姿が捉えられている。

ギャン泣きあり、笑いあり、神懸かりあり(痙攣、跳躍、頷き、笹、米…)、迫真の歌唱(演劇的であり、冗談もあり、ときにアドリブが炸裂する…)、躍動するリズム、二人の人形、紙で作られた船や花蓋、祭壇のお供物、遺影、そして何と言っても飛び交うお札(「さぁさぁ、お布施の時間だよ〜!!」「北村カントク〜(アイゴー!笑)…」)。
これは劇場だ。夜を徹しておこなわれる、長い長いひとつの旅だ。
どうしょうもない悲しさ、悔しさ、やるせなさを、何度も何度も越えては反復させながら、途方もない熱量のリズムと物語の力で昇華していこうとする、導いていこうとする。
(ときに、その舞台や形式に夜神楽を想起したり、何のヤらしさもなく爽快にお金をせびり、体にお札を付ける俗っぽい姿にストリップを想起したりもしたが、しかしある意味でそれらを凌駕してしまうものがあるのは、やはりこれが、愛する子を亡くした親兄弟のド直球の想いに根差しているからなのだろう。「共同体」よりも、まずそこを昇華することができなければ、お話にならないのだ。それがあった上で、共同体を巻き込むものとなっている…)。

朝方、海辺の子供がよかった。
顔のクローズアップがまた、ド迫力だった。
これは映画館で観ないとアカンやつ。