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バーフバリ 王の凱旋 ≪完全版【オリジナル・テルグ語版】≫のbluebeanのレビュー・感想・評価

3.5
めちゃくちゃ楽しかったです。アクションシーンがもう最高。整合性やリアリティを完全に無視して、とにかくかっこいい演出の連続です。それがばかばかしいという印象がなく、純粋にスカッとして気持ちが良い。よくこんなに楽しいアイディアがどんどん出てくるんだと感心しました。

スタイリッシュではなく、大きさ、強さ、豪華さなど、過剰であるほど良いというのがインド文化なのでしょうか。日本人が作ったら、照れがあったり茶化したりしてしまいそうなところを、大真面目に作ってる感じがすごく良いです。舞台も、巨大な王宮や神殿が派手な地形に広がっているシーンはまるでジオラマみたいで、見ているだけで楽しかったです。ここでも過剰。

印象的だったのは、前作に引き続き先代バーフバリの物語を4分の3くらいの時間をかけてやったあと、突然息子に主人公が切り替わって大団円を迎えるところです。もはや2人は完全に同一人物として描かれており、その切り替えにほぼ違和感がなかったです。え、残り30分で悟空から悟飯に主役変わるみたいなことするの?と驚きましたが、なんともスムーズに話が進みます。これって、インド人の親子感を表しているかも、と想像すると面白かったです。日本に比べて、親子のつながりが強いことの象徴なのかもと。最終的に妻よりも母の方を重要視する感覚も日本とは違いますね。

つっこみどころは多いです。単なる家族の内輪揉めに、大勢の国民が巻き込まれて戦争で蹂躙されていく様は冷静に考えると可哀想すぎます。そもそも内戦の原因は、主人公たちが無神経に兄弟の自尊心を砕いたせいですし。気持ちよく復讐を遂げて、何も深く考えることのないキャラ達もどうかと。でもそんなことほぼ気にせずに単純に楽しめるエンタメに仕上がっているので問題なしです。
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