転生Moljiana

バーフバリ 王の凱旋 ≪完全版【オリジナル・テルグ語版】≫の転生Moljianaのレビュー・感想・評価

4.5
 今年は何の年?バーフバリの年!でしたね、多分!

 アマレンドラ・バーフバリの死の真相とマヘンドラ・バーフバリの復讐劇を描いた後編という事で公開前から期待度がヤバかった今作。正直な話、実は初見時は好きじゃなかった作品、前半の回想劇が長すぎたのと私のイチオシ・アヴァンティカちゃんの出番が皆無だったのが主な原因ですが、繰り返し視聴した後だと慣れたか、純粋に面白いと感じられるようになりました。最終決戦はもう少し色調を明るくして欲しかった気もしますが。

 兎に角全編がインド映画らしい喜怒哀楽の振れ幅が激しい展開の波状攻撃、当然の事ながらツッコミどころ多数ですが象より巨大な山車を率いたバーフバリの登場シーンの時点でもうそんな心配に価値はナシ。同時に矢を3本発射する衝撃的なアクションや自国の軍を水責めで全滅させる異常な展開も圧倒的な疾走感で考える間も作らせません。仮に今作のS.S.ラージャマウリ監督が『スター・ウォーズ』を作ったら一体どうなっていた事やら……。

 それにしてもデーヴァセーナとシヴァガミの嫁姑対決には恐ろしい物がありましたね、兎に角どっちも血の気が多過ぎるものの、どちらの言い分にも理解が出来るのがまた難しい。昔、どっかの作家さんだかが「主人公の必要性を高める為には、主人公が居なかったが為に大悲劇に見舞われる世界も同時に考えなければいけない。」と言っていたのを覚えているんですが、この話って主人公が居た為に全ての登場人物が不幸になってますよね。バーフバリという主人公に対し、神の様な力と慈愛を抱かせながらも死神の様な念をも吹き込んだS.S.ラージャマウリ監督、只者じゃない。

 完全版のみのカットは「クリシュナの踊り」含め名シーンが数多く大満足でしたが、時折カットしてはいけないシーン(カットした事でその後の別のシーンの意味がわからない事)が多々あった気がしましたね。絶叫上映ではカッタッパがビッジャラデーヴァを叩いたシーンで歓声が上がりました。

 因みにS.S.ラージャマウリ監督がインタビューで言っていた「完全版には無く、国際版には有るシーン」って何処の事なんでしょう?

<2018年ベスト2位>
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