めしいらず

I AM THE BLUES アイ・アム・ザ・ブルースのめしいらずのレビュー・感想・評価

2.9
街角で、ガレージで、教会で、ホールで、野っ原で、ミュージシャンのじいちゃんが、ばあちゃんが、ギターを奏で歌う、己が人生の所感。直接的な言葉で歌われるそれ自体がブルースだった。彼らはブルースによって生き様を表明する。黒人であることで背負わされた理不尽を耐え抜いた先人たちから受け継いだスピリット。根明な調べの中にも否応なく悲しみを帯びている。生活苦。拓けぬ人生。でも年をとって見えてくるものもある。「悪あがきは必要ない。人間、できることをやればいい。それだけなんだよ」。自分のブルースによって人生を乗り切って来た自負。今、彼らが奏でる音楽は、彼らの眼差しと同じく穏やかだ。
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