みてべいびー

バーニング 劇場版のみてべいびーのネタバレレビュー・内容・結末

バーニング 劇場版(2018年製作の映画)
3.9

このレビューはネタバレを含みます

「韓国にはギャツビーが多い」
誰も彼も掴みどころない感じが村上春樹感満載。歳も近いし、ジョンスとヘミみたいな人友達にいそうで胸がサワサワした。最初二人が家電量販店みたいなところの前で再会してから煙草吸う場面観て、あぁこの映画すでに好きだと思った。構図も会話もよかったんだなきっと。艶と哀しさが表裏一体な映画。
メタファーの塊みたいな作品だから、全部が全部分析しちゃったらつまんない気もする。ただベンがビニールハウスはもう焼いたって言った瞬間、私の頭の中で「汚くて目障りな焼かれるのを待ってるビニールハウス=ヘミのような女」という等式ができてしまって、もうそこからは抜け出せないよね。夢で少年ジョンスが炎に包まれたビニールハウスに魅了されてる場面が忘れられない。音がないのも秀逸だなぁ。
ヘミみたいなちょっとメンヘラだけど独特の雰囲気纏っててほっとけない子、好きになってしまう気持ち非常にわかる。彼女がweed吸って上裸で踊る場面がこの映画の数々の映像美の中でも最高に美しい。Miles Davisが沁みる。あと彼女がベンの友達との食事会で、泣きそうになりながらサン族の話するシーン、周りが踊ってって煽るとこにシークレットサンシャインみを感じた。重なる場面があったのかは覚えてないけど、ああいう妙に居心地悪いシーンがあった気がする。その時のジョンスの顔よ笑、ベンの方見て「お前本気で踊らすの?止めろよ」みたいな目するのがすっごく好きだった。
意外とさっぱりというか、もっと謎に満ちた感じのエンディングになるかなぁと思いきや、後を引くモヤモヤの種類が想像とは少し違ってたかな。それでも好きなんだけども。
ジョンスのストーキングが下手すぎて後半ずっとヒヤヒヤしてた笑。後ろから来るポルシェがバックミラーに映るところと、高速の渋滞で並んじゃうところと、電話来てノックされるところ。あと細かくツッコむとすれば最後DNA残しまくりだけどね、まぁいいよねそれは。
伏線回収の後残る謎は、無言電話は母だったのか?井戸は本当にあるのか?ダムに行ったのは現実か?
みてべいびー

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