qp

バーニング 劇場版のqpのレビュー・感想・評価

バーニング 劇場版(2018年製作の映画)
4.5
劇場で見て以来、そのとき消化できずにぼんやりと残ったものが、今回あらためて見ていくらか消化できた気がする。
ラストシーンの殺人の意味も、はじめ見たときはよく分かってなかった。

とにかく実在感のある人物そして場所を、こうやって映画というメディアで描き出す力。監督イ・チャンドンほんとに凄い。映画の世界にきてくれて本当にありがとうございます(もともとは小説家だったので)。

絵的に面白いシーンは多いし、もちろん魅了されたんだけど(薄闇の時間のあれもこれも、全部素晴らしい)、そういう意味では地味で、ここ必要なんだろうかと思ってしまいそうになる主人公の父親の裁判傍聴シーン、絵的なものだけではなく物語的にもカットして良いと思ってしまいそうだけど、今回見て、ここがあるからこそ良いような気がした。父親の、みずからの怒りを抑えられない、暴力を抑えられない気質みたいなものを見せることで、この映画のテーマがよりクリアになっている気がした。

ラスト、ベンの車を燃やして、主人公の車で去っていくところ、主人公の車のガラス越しにしかその燃える炎を見せないのが素晴らしいと思った。
qp

qp