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バーニング 劇場版のyamatakeのレビュー・感想・評価

バーニング 劇場版(2018年製作の映画)
4.5
2019/劇場鑑賞87本目

小説家志望の青年、ジョアンは、暴力的な父親の逮捕と母親の家出により、実家に戻り一人で苦しい生活をしていた。ある日、ジョアンは幼馴染のヘミと得体の知れないギャツビー、ベンに出会い、恐ろしい事態に陥るというお話。

本作は『ペパーミントキャンディー』で注目を浴びたイ・チャンドン監督の最新作です。私は彼の作品は本作が初鑑賞でしたが、ものすごく社会派な作家で、韓国の闇の部分をとりわけ客観的に描写することが特徴です。
というのも彼の作品は複雑な物語が多く、それを被害者、加害者の両面から捉え、内なる葛藤を表現します。

本作『バーニング』は彼の7作目の監督作で、村上春樹原作短編小説の映画化です。
もともと本作はイ・チャンドンプロデュースで若手監督に撮らせるつもりだったらしいですが、上手くいかずに彼自身で完成させたらしいです。
本作では韓国の闇を提示し、それを比喩的な表現でもって非説明的に描写していきます。なので観客が自身で咀嚼しないと読解しずらい映画になってます。

私も二時間半の長尺と終始静かな演出でウトウトしてしまい、理解できなかったですが、鑑賞後の公演会に参加し、彼の作家性や韓国の社会問題、巧みな演出を聴いて震えましたよ。そして自分の読解力の無さに落胆しましたw

読解のヒントとしては
・貧民と富豪、三人の若者
・兵役
・主人公視点と一つの三人称視点、現実か小説か
・父親の暴力性、遺伝
・メタファー
ですかね。メタファー解説は町山さんのムダ話がタメになるらしいので聴いてきます。

イ・チャンドン作品制覇するゾォー!

ベスト入り確定!
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