ヤスマサ

ファイティン!のヤスマサのレビュー・感想・評価

ファイティン!(2018年製作の映画)
2.8
アームレスリングが取り柄の男が、祖国韓国で、人生を取り戻すために奮闘する姿を描いたヒューマン・ドラマ。
養子に出されたアメリカで、八百長疑惑でアームレスリング界から身を引いていたマーク(マ・ドンソク)は、韓国のアームレスリング界に活躍の場を見出そうと誘うジンギ(クォン・ユル)の口車に乗って韓国に戻ってくる。

マークは、取り柄のアームレスリングを除けば、劇中で出てくる「オーバー・ザ・トップ」のホーク同様に凡庸な男だ。
何事かに固執することもない。
そんな身寄りのないマークは、セキュリティとして働いていたクラブで出会ったジンギを邪険に出来なかったり、帰ってきた韓国で実母の家にいた女性を妹だと信じたりする。
それらはマークが「絆」や「繋がり」といったものを渇望していたからだろう。
マークを兄貴と慕うジンギはかなりいい加減で苛立たしく、腹立たしくも見えるが、実はジンギも父親との繋がりを断てないでいる。
ただ、この映画では人との「絆」や「繋がり」の大切さ、またそれらを得るための経緯の表現が薄く、アームレスリングとの関わりも弱いように感じる。
それはマークが凡庸が故の表現なのかも知れないが、マ・ドンソクの筋肉を愛でる作品になってしまっている。
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