えむえすぷらす

ビリーブ 未来への大逆転のえむえすぷらすのレビュー・感想・評価

ビリーブ 未来への大逆転(2018年製作の映画)
5.0
原題はOn the basis of sex(性別に基づいて)。

長いレビューを書いたけどなぜか登録されず消えた。なんじゃ、そりゃ。
という事で気を取り直して書き直し。

連邦巡回控訴裁判所(昔の名残でそういう名称なのです)で争った税法上の男性差別条項を巡る違憲訴訟の弁護を名乗り出たルース・ベイダー・ギンズバーグ。女性を受け入れる弁護事務所がなく裁判所ロー・クラーク経由でラドカーズ州立大学の教員になった彼女は税制問題を得意とする弁護士の夫と共に戦う決意をするが、性差別を「役割論」や「創造主の決めた事」という区別に過ぎないと信じる性差別意識の強い男性達が寄ってたかって阻もうとする。

ルースとティーンエイジャーの娘が粗野な男達に揶揄われた時、娘は平然とガンガン言い返した。呆然とする男達&ルース。ルースはそんな娘の姿を見て自身が若かった日に我慢して黙って耐えた時代じゃないのだと確信する。このシーンがいい。

そういう娘の応援があったからルースはあらゆる嫌がらせを跳ね返す事ができたのだと思う。

なお連邦最高裁判事は終身官ポストで本人の申し出か死去しない限り現職にとどまる。ルースは連邦巡回控訴裁判所判事から連邦最高裁判事に任命された。最高裁判事の中では最高齢(在任期間の長さは2番目。彼女より早く若くして就任したクラレンス・トーマス判事が在任28年目となっている)で今もその座にある。英語版Wikipediaを見ると「RBG」(彼女の愛称)の人気のほどがわかる。
ちなみにレゴムービー2は明らかにRBGさんが出てきているし、RBGさんのドキュメンタリー映画も近日公開とルース旋風は終わらない。