タカシサトウ

ジュディ 虹の彼方にのタカシサトウのレビュー・感想・評価

ジュディ 虹の彼方に(2019年製作の映画)
4.0
 アメリカの女優ジュディ・ガーランドの晩年を描く伝記映画。

 16歳の時に「オズの魔法使」の主役ドロシーに抜擢され、でもその時に、痩せる為、眠る為に薬を飲まされたり、そこからの影響か、晩年に酒と薬を手放せなくなったジュディ・ガーランド(レネー・ゼルウィガー)の晩年。「オズの魔法使」は、ほのぼのとした話で、セットも豪華なものと思っていたのに、印象がちょっと変わる。

 ホテルの宿泊費さえ払えず、ステージにも遅刻しそうになり、終始、観ているこちら側がハラハラし、痛々しかった。気の毒で仕方ない。

 でも、一旦歌いだすと、圧倒される、ジュディ・ガーランドが頂点を過ぎたとはいえ、素晴らしかった。この落差はまるで、「ダンサー・イン・ザ・ダーク」のよう。吹替なしで歌っているレネー・ゼルウィガーの歌声も迫力だった。

 ラストの“虹の彼方へ”は、悲しくも、ゲイのカップルと観客に慰められるという意味で素晴らしかった。これが観客と気持ちが通じたということなのだろう。これで、やっとほっとする感じ。

 この後、47歳と若さで亡くなるという事は余程のことなのだろう。如何に若い時の薬と虐待まがいのことが影響しているということか。

 レネー・ゼルウィガーが、彼女とは分からない位、ジュディー・ガーランドに似ていた。レネー・ゼルウィガーもハリウッドと距離を置いていた時期があるらしく、ジュディ・ガーランドとダブっている所もあると。圧巻だった(2023.2.11)。