エイデン

ニセコイのエイデンのレビュー・感想・評価

ニセコイ(2018年製作の映画)
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12年前
旅行先で1人の少女と出会った少年 楽は、幼いながらも互いに愛情を抱くようになっていたが、2人の短い時間はすぐに終わりを告げる
そこで別れ際に楽は錠を、少女は鍵を持ち、いつか2人が再会したら鍵で錠の中のものを取り出し、結婚するという誓いを立てると、“ザクシャインラブ(愛を永遠に)”という言葉を別れの言葉の替わりに交わすのだった
そして現在
あの誓いを胸に秘めながらも、少女の顔や錠の中身を忘れてしまったまま高校生になった楽には、大きな悩みがあった
実は楽はヤクザ組織“集英組”組長の1人息子で、やがては二代目になることを期待されていたのだ
真面目で暴力が嫌いな楽としては迷惑な話で、自分の境遇に不満しかなかった
登校前 父 征一から、帰ったら大事な話があると告げられて家を出た楽の周りには、最近シマを荒らしているというギャング対策で、若頭の竜之介ら集英組の構成員達が護衛に張り付く
怒りながらも彼らを撒いた楽は、登校時間もギリギリとなり、閉まりかけた校門に何とか滑り込む
するとその背後で金髪の少女が見事な身体能力で校門を飛び越えると、避けきれなかった楽は彼女に飛び膝蹴りを食らわされる形となってしまう
金髪の少女は軽く謝罪をしてそのまま走り去り、楽は倒れた拍子にペンダントにしていた錠がどこかに落としてしまったことに気が付くが、同級生の小咲がそれを拾って手渡す
小咲へ思いを寄せる楽は、彼女が12年前の少女だったらと密かに望んでいた
その後 教室に着いた楽は、幼馴染の腐れ縁である集と雑談を交わしながら、クラスに転校生がやって来るという知らせを聞く
教師の案内でクラスに現れたのは、アメリカから来たというハーフの美少女にして、今朝 楽に飛び膝蹴りを食らわせた千棘だった
今朝のことがきっかけで食ってかかる楽は、早速 千棘と喧嘩になり、キレた彼女に投げ飛ばされてしまう
その夜 帰宅した楽を一征が待ち構えていた
彼によれば、この街にニューヨークから進出して来たギャング組織“ビーハイブ”が幅を利かせており、既に集英組とのいざこざが起きてしまっていた
このままでは関東全土が血の海に沈む全面戦争になりかねないが、それを楽ならば止められるかもしれないという
実は一征とビーハイブのボス アーデルトは古い知り合いで、互いに戦争を回避しようと務めていたものの、既に血が流されている以上、両組織とも簡単に引き下がれない
そこで楽には、アーデルトの娘と恋人のふりをしてほしいと言うのだ
二代目同士が恋人ということであれば、全員が納得せざるを得ないというのは理解できるものの、納得できないまま強引にアーデルトの娘を顔合わせをすることとなった楽だが、その娘として紹介されたのは千棘だった
こうして驚愕する2人は、ニセモノの恋人“ニセコイ”として生活することを強いられるが・・・



古味直志原作の同名漫画を実写化したラブコメ映画

ヤクザの息子とギャングの娘がニセコイ関係に!
という漫画原作らしいハチャメチャな設定を活かした作品
『俺物語‼︎』あたりでも思ったけど、リアリティの無さすぎる設定も貫き通せば割と面白い

原作だと鍵と錠を巡る物語に焦点が当てられて、主人公 楽が結婚の誓いをしたのが誰なのかという要素もあるようだけど、その点を大幅に省いて観やすくしてるのも映画の脚色としては悪くない
加えて無理に続編に引きずらず、珍しくちゃんと完結した作品になってるのも個人的にはポイント高い

雑な部分も目立つけど、こちとら漫画原作ぞ?という謎のパワフルさで乗り切っていて、それに首を縦に振れるのであれば普通に観られる出来
普通じゃあり得ない設定、展開、見せ場を作り、茶番臭さはあるけど笑える要素もちゃんとある
逆にロマンス要素がやや薄めにも感じたけど、エンタメ作としてはよくできた実写作品でした
観ましょう
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