ししまる

バグダッド・スキャンダルのししまるのレビュー・感想・評価

バグダッド・スキャンダル(2018年製作の映画)
3.3
◼️概要
国連史上最大のスキャンダルと言われるイラクの石油食料交換プログラムを巡る不正を映画化。
2002年、マイケルは国連事務次長の特別補佐官に任命され、困窮するイラク国民を救うはずの人道支援プログラムを担当。しかし、裏ではフセイン政権や各国要人や実業家らが絡む不正が横行していた。
◼️感想
地味だけど重厚な政治サスペンス。脚色もあるようだが、国連を巻き込んだ大がかりな不正に閉口させられる。まあ、国連よ、お前もかという感じだが。やや説明調な部分もあるが、緊張感は十分で、イラク問題を理解する一助にもなる。
プログラム責任者コスタ・パサリス(モデルは国連事務次長ベノン・セバン)を演じるベン・キングズレーがはまっている。
◼️メモ
元国連職員マイケル・スーサンが自らの体験に基づいて著したベストセラー小説「Backstabbing for Beginners: My Crash Course in International Diplomacy」が原作。
石油食料交換プログラムは湾岸戦争に伴う経済制裁の一般市民への影響を緩和するため、米クリントン政権の提案を受け、国連安保理決議に基づく形で96年開始。食品や医薬品などイラク市民が必要とする物資と交換に、イラクが石油を輸出できるようにすることが目的。7年間累計で輸出640億ドル(当時レートで7兆3600億円)、輸入370億ドル(4兆2250億円)。
プログラムは数々の不正や汚職の温床となり、米政府会計局(GAO)による調査では、フセイン大統領の取り分だけでも推定101億ドル。国連独立調査委員会の最終報告によると、世界66ヶ国2000以上の企業や個人がフセイン政権に18億ドル相当のリベートなどを支払った。企業一覧表には日本の企業名もあったが、不正を否定した。
国連事務次長ベノン・セバンは停職となった後、2005年8月7日に辞任。犯罪人引き渡し条約を結んでいない故郷のキプロスに戻った。
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