このレビューはネタバレを含みます
難しい映画だった!イタリアの宗教感が分からないので評価しづらいです。
ただ、ラザロの横顔を見ていると何だか拝みたくなってきます😇
聖書の中でラザロはイエスの友人で一度死んだ際に蘇生されている。あの狼がイエスの化身だとすると、キリスト教では狼は悪のイメージであるので、聖書の物語をベースにしつつも、植え付けられた印象から脱却すべきという監督の意思なのか。
小作人たちは搾取から解放された後、保障も得られず盗みを働くしかなく、タンクレディは自身は搾取したわけではないのに全て奪われて貧しい暮らしをしている。そんな彼らこそ救われるべきで、都会で暮らす人々は本当に手を差しのべるべき存在を黙殺している、ということなのかな。
あとはオスカー・ワイルドの『幸福な王子』の話になぞらえてラザロが身を削って人々を幸せにする様子も描いている???こんなことを漠然と思いました。
何だかんだで話が面白い。宗教の話でありつつ、悪事がばれるのはテクノロジーのお陰だったり、教会を否定するシーン、救われないまま死ぬラザロによって、一見宗教を否定しているようで監督はキリスト教を深く信仰していることが分かります。