bowzZ

COLD WAR あの歌、2つの心のbowzZのネタバレレビュー・内容・結末

COLD WAR あの歌、2つの心(2018年製作の映画)
3.6

このレビューはネタバレを含みます

タイトル通り東西冷戦そのもの。その構造あったが故の一つの悲恋の形。この時代、何かと不自由を被ったのはやはり東側の人々の方が多かっただろう。ポーランドも東側だったからね。
これは音楽も作品背景になっているけど、伝統的ポーランド民謡/舞踊が観れるのは珍しい。それに対比するかのような西側の音楽ジャズもシブいけど。民謡の一曲とジャズをフュージョンした曲も、あれはあれでシブいな。

劇中が1949~1964年だけど、音楽史的にはこの時期には西側ではロックンロールも萌芽してきたわけで、冷戦構造が後に崩れたのはロックの存在も一因にあると思うんだが、それにもあと25年くらいは待たねばならない。どちらにしても、このカップルには間に合わなかったな。
するとやはり、西側でも東側でもない、向こう側へ行くという選択になるのも自然なこと。

(ロックが一因というのは、禁止されているロック音楽を、ソ連ではレントゲン写真を利用してコッソリ、レコードのコピー作ってまで聴いていたとか、東ベルリンでは西ベルリンから壁ごしに聴こえてくるDボウイのライブに聴衆が集まった等の逸話もあり、何よりロックにある自由で反体制な歌詞やリズムに共鳴して、東側の形式ばった堅苦しさに飽き飽きして嫌気がさしたせいも一因にあると思うから。・・・この映画にロックは関係ないけど。チラっとロカビリーは出てきたけどね)

このように冷戦構造と音楽の関係など色々考えてしまった。
bowzZ

bowzZ