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COLD WAR あの歌、2つの心のjimanoffのネタバレレビュー・内容・結末

COLD WAR あの歌、2つの心(2018年製作の映画)
3.4

このレビューはネタバレを含みます

前回の「イーダ」がよく出来上がった作品になっていると感じた一方で、今回のストーリーの不可解さ(あるいは端折り方)には、勝手にしろと思いたくなるほど感情移入の難しさを感じた。
ベルリンの壁以前の東西ベルリンの往来の自由さはおそらくあった。それはいいとしよう。その後、ヴィクトルが第三国とはいえ共産政権下のユーゴのスプリットにのこのこと現れて、ソ連の警察?に見つかり国外退去になる(そりゃそうだろ)、パリに亡命したと思えば諍いからあろうことかポーランドに戻って15年の懲役刑、最後は「永遠の愛」というクリシェで失楽園状態。
この2人がどうしてここまで惹かれ合うのか、どのエピソードもハイライトすぎて劇中だけでは伝わらなかったし、パリに亡命した2人の生活と破綻を詳しく描けばよかったのではないか?
上映時間の短さの割に、時代経過のカットが多く、しかも後半になるにつれひどくなるため、それぞれの点が雑に寄せ集められた印象にある。

なお、劇中音楽の良さは作品のそれとは全く関係なく存在していた。ただし、エンドロールをグールドが演奏するゴルドベルク変奏曲にしたことは失敗だろう。エンドロールに映画館でうなっているおっさんがいるかのように錯覚するので、あれは良くない。グールド好きのディレッタントな選曲者の仕業だろう。
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