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ブラック・クランズマンのradioradio526のレビュー・感想・評価

ブラック・クランズマン(2018年製作の映画)
4.0
「前代未聞の潜入捜査…見えない帝国VSブラックパワー」

「ブラック・クランズマン」WOWOWにて鑑賞。

1979年コロラド州コロラドスプリングス警察署で初の黒人刑事として採用されたロン・ストールワース。白人の同僚刑事から冷遇されても決してめげない男だ。
ある時、新聞広告に掲載されたKKK(クー・クラックス・クラン~白人至上主義団体)の団員募集の記事を目にしたロンは勢いで電話をかける。
白人に成りすまし…黒人の差別発言を繰り返し…なんと入団面接まで漕ぎつけてしまう。
勿論、黒人のロンはKKKと直接対面する訳にはいかない。
しかしロンには作戦があった…対面は同僚の白人刑事フリップが担当、電話はロン自身が受け持つ。2人で一人のロンを演じることで潜入捜査を進めていく。

奇想天外なストーリーは実話のノンフィクション小説というから驚く。
本来は別の監督が撮影するはずだったらしいが、この作品については「彼が撮るべき」とスパイク・リー監督に譲られたらしい…大正解。
独特のユーモアとスリルでレイシズムを両サイド(黒人集会VSクランの集会)から印象的に表現している。対称的な演出は単純にKKKを批判する訳でなく、黒人側にも歪みがあることを匂わせている。
どちらも愚かであり、どちらも正義じゃないという強烈なメッセージ…スパイク・リーの「らしさ」炸裂だ。

ロンを演じるジョン・デビッド・ワシントンは名優デンゼル・ワシントンの実子。
黒人ながら警官に憧れているどこかユーモアのある男を好演。フリップにはこれまたハマリ役なアダム・ドライバー、バディのクライムものとしては素晴らしいコンビだ。
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