くるぶし

ブラック・クランズマンのくるぶしのレビュー・感想・評価

ブラック・クランズマン(2018年製作の映画)
3.9
アメリカが舞台の映画を観る上で黒人の抑圧の歴史は知るべき、ほぼ必修の知識。これまでも黒人の立場を描いた作品は多く観てきたが、中でも1番強いメッセージを感じた。
アメリカにおける人種問題はいつの時代も根深く、特にトランプ政権以降の世界においてその根がより深く広く張っているからこそ出てきた作品で生まれたメッセージだと思う。

1970年代、コロラドスプリングス初の黒人警官がKKKに潜入捜査をするという嘘みたいな話の実話がベースとのこと。
設定が非常にキャッチーでお話自体が相当面白く、シリアス一辺倒ではなくコメディ要素もありぐいぐい興味が持っていかれる。

そしてラストのラスト、事件は解決して万事オッケー!やったー!と思ったのも束の間、観客だけにわかる今現在の凄惨な現実が突きつけられる。
ここの落差があまりにも印象的で非常に上手い。実際この作品を見て以降は人種問題のニュースはよくチェックするようになっった。

作中でも描かれている通り映画のもたらすパワーは計り知れない。良い方向にも悪い方向にもその力がある。
人々の手元に映画が届きやすくなった現代でこの作品の持つパワーが多くの人に波及して良い方向に持っていってくれたらと思います。

76本目
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