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ブラック・クランズマンのNowLoadingのレビュー・感想・評価

ブラック・クランズマン(2018年製作の映画)
3.7
 昨日の一本。

 KKKの言う「俺たち白人が!黒人共のノイマリティに差別されてるんだ!」という言葉は如何にお互いの認識の違い、彼らは我々からすれば被害者妄想も甚だしいが奴らは本気でそう思っているのが厄介だ。そして本作のラストシーンでそれも示されている。アメリカン・スナイパーを彷彿とさせ、僕の目を白黒させるあのラストの映像は忘れることは出来ないだろう。

 中盤のシーンにおいて、黒人のチームとKKKがそれぞれの対比を用いて話が進む。一方は迫害の歴史を生生しく語り、かたやサイレント映画を共に鑑賞して団結を図る。コチラも実に迫力があって悪い黒人野郎をやっつけろ!という叫びの連鎖は「RRR」で心の中で熱狂していた僕のようでもあった。

 こんな感じの途轍もないメッセージ性が全編にわたりふんだんに設けられていながら、黒人刑事ロン・ストールワースと中途半端に強がりを見せるカイロ・レンみが強いユダヤ人刑事フリップの文字通り凸凹コンビのありえない実話が下地となりエンタメ性も確保されている。実際に本名で関わりを持っていたとすればあの刑事は普通に生きながらえることは考え難い位のものであろうが。

 スパイク・リー監督のメッセージがガンガンなので好き嫌いは別れるだろうが、差別用語も妥協なく使用して、映画としての娯楽性も持ち合わせたかなり稀な映画であった。
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