オレオレ

ブラック・クランズマンのオレオレのレビュー・感想・評価

ブラック・クランズマン(2018年製作の映画)
3.0
どうもスパイク・リーのコメディとドラマのミックスに乗り切れないが、今回もそうだった。
黒人警官がおとり捜査で白人至上主義団体KKKに乗り込む!という設定は「どうやって!?」なんだが、要は電話口では黒人のロン(J.D.ワシントン)が、実際の会合には白人のフリップ(アダム・ドライバー)がそれぞれ対応しする、というもの。
有色人種差別はもちろん、フリップがユダヤ系なため、反ユダヤ主義の差別にも触れられている。
「are」の発音のバカバカしい話がある一方、おとり捜査がバレないかの冷や冷やもあるんだが、コメディなのかシリアスドラマなのか、最後まで「味付け」がわからず、なんだか乗り切れないまま終わってしまった。

しょっぱなに出てくる白人至上主義なアレック・ボールドウィンの教授は見るからに怪しげで、酔っ払いの激論みたいにめちゃくちゃなんだが、この「白人優位論」が信じられていた(信じられている)んだよなあ・・・。KKKの大将、デイビッド・デューク(トーファー・グレイス)が下院議員に選出された国だし。
KKK、反ユダヤ、市民権運動などをコメディを交えて問題提起し続けるスパイク・リーの手腕はスゴイんだと思うが、いかんせん、自分の中でこの分野の知識が少ない、映画もあんまり見ていないので、ピンとこなかった。
ただ、来年の大統領選挙であの洗練された(プロパガンダの手法がもっとうまい、という意味で)デイビッド・デュークが勝ちそうなので暗い気持ちにさせられる。

それにしても、KKK入会ってあんな簡単なの?まあ、当時は、ってことかもしれないけど。
というか、新聞に「会員募集!」なんか掲載していいんかい!