えむえすぷらす

ブラック・クランズマンのえむえすぷらすのレビュー・感想・評価

ブラック・クランズマン(2018年製作の映画)
5.0
史実を元に映画化しておいて(映画自体は脚色が含まれるゆえにフィクションとしての再現になる)、事件の中であった差別は未だに生きていて現代につながっているぞという監督の問題意識も明確に伝えられた一作。
事件に顛末は一種の悲喜劇なんですがその中で悪名高い人種差別映画「國民の創生」で起きた事を語り、KKKの復活につながった事やコンピュータ史に残るトランジスターの父であるショックレー博士が優生学と人種差別偏見にのめり込んでいた事などを見せてくる。ショックレー博士の件は今回初めて知った(Wikipediaを見たら触れられていた)。
笑えるシーンは多い。あくまでエンターテイメント。主人公が警察官の仲間たちに受け入れられている事を示すシーンも含められている。

でも未だに解決されない差別は残っていてニュース映像引用を交えて観客に突きつけてくる。見ている間、最後まで油断許さない作品だったし、油断してはならないのだと思う。