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ブラック・クランズマンのtsuyocinemaのレビュー・感想・評価

ブラック・クランズマン(2018年製作の映画)
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【BLACK K KLANSMAN/ブラック・クランズマン】
公民権運動が盛んな時期にKKKに潜入した黒人警官ロンとユダヤ系フリップ警察官がブラックミュージックとスタイリッシュな演出でハラハラさせる潜入捜査モノから観客にこの人種差別による憎悪の対立関係が『歴史』ではなく『現代』なんだとパワープレーで現実にひきづり戻す電撃的エンディングは絶句の一言!!
(もちろんエンディング前からもKKKの会話の中でトランプを連想させるのだが。) 映画の筋として捜査終了後にナイスな仲間との打ち上げ→ユーモアを持ってのKKKのエリート幹部への種明かしが痛快だった分、ロンと彼女の会話が引き金からの『現代』への引き戻すエンディングが非常に効果的に感じたのだと思う。

この衝撃の『現代』へ引き戻されるエンディングは観客に『くたばっちまえよレイシスト!そして国家の代表がそんなレイシストを扇動してんじゃねーぞ!』と中指立ててたくなる気持ちを掻き立てる『パワー』があった!!
(汚らしい言葉を使い申し訳ないですが、気持ち的にそんな感じになるんです)

奇しくも本年度アカデミー作品賞を取ったグリーンブックも人種問題を扱ったが、グリーンブックがキング牧師なら本作は寛容さがありつつもブラックパンサー的な攻撃力を持って観客に現代の問題に向き合わさせる。
そんな他者への憎悪、それを掻き立てるような非寛容な主義に怒りをもって闘うエンタメ大作を是非観て欲しい!!
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