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存在のない子供たちのilのレビュー・感想・評価

存在のない子供たち(2018年製作の映画)
3.4

「育てられないなら産むな」

劣悪な環境下で人生ハードモード、
身分証さえ存在しない子供である主人公。

中東のスラムで、
ろくな教育も受けられないまま、
肉体労働で日銭を稼ぐ。

無教養な両親の無計画な人生と思考に振り回される地獄。

オトナに対する怒り、
世界に対する怒り、
安全欲求さえ満たすのに必死な、
あまりに過酷な視野。

両親を訴訟し、
裁判官に言い放った上記の言葉は、
彼の両親だけを刺したわけではない。

無責任に対する自分の拭けない糞を撒き散らすオトナ全てを刺しているのだ。
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