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存在のない子供たちのkazu1961のレビュー・感想・評価

存在のない子供たち(2018年製作の映画)
4.4
▪️Title :「存在のない子供たち」
Original Title :「Capernaum」
▪️Release Date:2019/07/20
▪️Production Country:レバノン
🏆Main Awards : ※※※
▪️Appreciation Record :2019-178
▪️My Review
とんでもない作品です。ラストで少し希望の光が見えましてが、ずっと胸が詰まってたまらない作品でした。凄絶な子供の現実を、殺伐とした光景の中で心情豊かに描いていて感動。本物の難民だった子供たちに泣かされます。
苛烈なまでの中東の貧困と移民の問題に、一歩もひるむことなく果敢に挑んだ女性監督は、(キャラメル」で鮮烈なデビューを飾ったレバノンで生まれ育ったナディーン・ラバキー。
リサーチ期間に3年を費やし、監督が目撃し経験した事を盛り込んでフィクションに仕上げました。主人公ゼインを始め出演者のほとんどは、演じる役柄によく似た境遇にある素人を集めたそうです。
それによって、感情を「ありのまま」に出して自分自身を生きてもらい、彼らが体験する出来事を演出するという手法をとった結果、リアリティを突き詰めながらも、ドキュメンタリーとは異なる“物語の強さ”を観る者の心に深く刻み込む作品に仕上がっています。
社会の非人道的な深みに設定を置きながらも究極的に希望に満ちた本作、少年の成長物語という普遍性が心揺さぶり共鳴をもたらしてくれます!!

▪️Overview
長編デビュー作「キャラメル」が高い評価を得たレバノンの女性監督ナディーン・ラバキーが、貧しさゆえに親からまともな愛情も受けることができずに生きる12歳の少年の目線を通し、中東の貧困・移民問題を抉り出した人間ドラマ。中東の貧民窟で暮らす12歳のゼインは、貧しい両親が出生届を提出していないため、IDを持っていない。ある日、ゼインが仲良くしていた妹が、知り合いの年上の男性と強制的に結婚させられてしまい、それに反発したゼインは家を飛び出す。仕事を探そうとしたがIDを持っていないため職に就くことができない彼は、沿岸部のある町でエチオピア移民の女性と知り合い、彼女の赤ん坊を世話しながら一緒に暮らすことになる。しかしその後、再び家に戻ったゼインは、強制結婚させられた妹が亡くなったことを知り……。2018年・第71回カンヌ国際映画祭で審査員賞とエキュメニカル審査員賞を受賞。
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