かりんちゃんのウマ

存在のない子供たちのかりんちゃんのウマのネタバレレビュー・内容・結末

存在のない子供たち(2018年製作の映画)
4.9

このレビューはネタバレを含みます

この題材をこれほどシンプルに表現できる脚本、監督、カメラワーク、すべてが素晴らしいとおもった。構成がしっかりしていた。考えさせられることは山ほど種類があってたくさん投げかけてくるけど、メッセージはすごくシンプルだったと思う。
アカデミー賞獲って欲しかったし、多くの映画館で上映して欲しいな。狙わずとも音楽の本質もよく描かれてたように思う。
ぜひ観て欲しい。




娘を売って死なせた親に対して、12歳のゼインは

「心はないのか」
「世話しないなら、産むな」

対して、大人は

「子は支柱。(だからたくさん産めと教わった)」と。


麻痺してしまった大人たちと当たり前のことを叫ぶゼインが対照的だった。
子どもは物じゃない、人間だ。損得を考え、世界を難しくしているのは大人。特に、面会のシーンはすべてが詰まってた。

観客はほとんど泣いていた。わたしは観点がすこしズレてたのかもしれない。
というのも、この映画では、どんなに残酷で最低な生活シーンの中でも、登場人物たちは歌を口ずさんでいた。どんな場所にも音楽が必ずあるの…わたしはコレに泣いてましたずっと。音楽は人の営み、ということをよく表現されていました。
映画館で観れて、出会えてよかった作品です。