おとうちゃん

存在のない子供たちのおとうちゃんのレビュー・感想・評価

存在のない子供たち(2018年製作の映画)
4.0
なぜ産んだ!

原告:息子(推定12歳)
被告:両親
罪状:僕を産んだ罪

難民の両親を持つ少年ゼイン…出生の記録がなく、自分の誕生日も知らない。

「お前なんか生まれなきゃ良かった」
平気で罵倒する父親に言いたい
「愛もなしに、なぜ産んだ!」

ストリートキャスティングならではの説得力。
本作の出演者の大半は演技経験がなく、なおかつ演じる役柄も自身と似た境遇を持った、いわゆるストリートキャスティングで選ばれた人物。
主人公ゼインを演じたゼイン・アル・ラフィーアと彼の妹サハル役のセドラ・イザムは、実際にシリアからレバノンに大量に流れ込んできた難民で、2人とも役柄同様に日銭を稼ぐ仕事をしていたそうである。

花嫁は12歳…結納金はヤギ🐐
結婚という名目の人身売買。

過酷で理不尽な この世界に立ち向かった1人の少年の、冒険と言うには あまりに残酷すぎる現実。

もし観るなら、圧倒される お覚悟を!