くろねこヤマ子

バハールの涙のくろねこヤマ子のレビュー・感想・評価

バハールの涙(2018年製作の映画)
3.9
もしかしたら。
フランスっていう国は
恋やアートの作品よりも

戦闘地を描くことに
長けた土壌が
あるんじゃなかろうか。

そう思えるほど
悲しみと埃ぽさの中に
強さと美しさを
グッと突きつけてくる。
そこにある光。

2014年夏から2015年秋、
クルド人自治区で実際に起きたことを
ベースに作られた物語。

突然故郷が襲われ、家族が殺され、
子どもは攫われ、自らは性奴隷となる。
「被害者でいるより戦いたい」
戦闘員として前線に立つババール姿を、
片目のフランス人ジャーナリストが追う。
どちらも魅力溢れる女性。

歌う女たちもまた素敵だった。
生命を育むチカラのようなものが見えた。

取材して組み立てて映画として作り上げる。
その過程で洗練というのかな、
悲惨なものとしてだけで観せないという
この作品への好感。
なんていうかな、見やすいし、希望だし
何より布の柄がいつも可愛かった。

男はというと
勝手に戦争を始めておいて
町を破壊し、女を犯しておきながら、
女に殺されると天国に行けないとか
その宗教の考え方も男のものだろうし、
なんかもう、うーん。