眠人

イメージの本の眠人のレビュー・感想・評価

イメージの本(2018年製作の映画)
-
映像詩と言って良いのかもしれない。様々な映画、ドキュメンタリーの映像や科白を断片化し、そこにエフェクトをかけて繋ぎ合わせていた。まるで音楽におけるサンプリングのようだ。

映像に合わせて暴力、イデオロギー、宗教、オリエンタリズム、革命等に言及したテクストを老人(ゴダールなの?)が嗄れた声で語るのだけれども、その内容はとにかく難解で、突き放されている感じがした。でも、その突き放し方には不快な要素がなく、むしろ退屈せずに集中して鑑賞できた。おそらくそれは、映像と劇伴が織りなすリズム感のおかげなのだと思う。

煩わしい用事を全て済まし頭を空にして、イメージをたっぷりと書き込める余白を作ってから鑑賞するのがおすすめ。
眠人

眠人