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At War(英題)
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『At War(英題)』に投稿された感想・評価

[誰かのピンぼけ後頭部を愛でる映画] 40点

戦う者は負けることもあるが、戦わない者は既に負けている。というブレヒトの言葉が示す如く、戦い続けたおじさんの話。偽のニュース映像やそれに伴う関係者のインタビュー映像を間に挟むことで突然路頭に迷う羽目になった1100人の従業員を背負い立つ労組の偉いおじさんの戦いに臨場感を持たせる。残りのほとんどの場面は、人だらけの会場で口論の切り返しを人の間を縫って繋いでいるのだが、画面構成が下手くそ過ぎてさながら苦行のようだ。複雑に人を配置して現実味を持たせようとするのは理解できるが、流石に被写体に対して手前にいる人間を必ず入れて、画面の半分くらいをそいつの後頭部のピンぼけにするのはセンスなさすぎというか、狙いすぎて気持ち悪い。

会社側と労働者側の板挟みになる労組の人の物語であり、その最終的な解決策には思わず目を背けたくなるが、これが現実に起こりうると思うと更に気が重くなる。正直言うほど評価ポイントのある映画じゃないんだが、このラストの後味の悪さは心臓に悪い。
突然解雇を言い渡された工場労働者たちの話。

議論がずっと並行線なの、みててつらい

今出町座でやってる
CHEBUNBUN

CHEBUNBUNの感想・評価

3.6
【La Colère des Travailleurs(労働者の怒り)】
フランスでは頻繁にデモ・ストライキが行われる。列車や店はよく止まるので、人々はデモ・ストライキの情報に詳しい。それは地方都市でも同様で、ブンブンが留学したフランス・アンジェでも1ヶ月に数回のペースで何かしら行われていた。テレビやWebサイトのニュースを見れば、割とトップに経営者と労働者の闘いが載るし、老若男女問わず、労働者の権利について熱く議論がされる。闘わずして自由は手に入らないというフランスの精神を感じる瞬間であり、調和を乱すことを良しとしない日本とは真逆の発想である。さて、前置きはさて置き2018年のカンヌ国際映画祭コンペティション作品『EN GUERRE』を観た。本作は工場閉鎖を巡って、経営者と労働者との間で起こる激しい軋轢を労働組合を統括する者の立場から描いた作品だ。監督はステファヌ・ブリぜ、主演はヴァンサン・ランドン。そうです、『ティエリー・トグルドーの憂鬱』コンビです。『ティエリー・トグルドーの憂鬱』でのヴァンサン・ランドンは会社から集団解雇され、ストライキをしようとするものの、結局再就職の道を歩み、あまりにドライなスカイプ面接等を経てスーパーの警備員になる話であった。それと蝶番の関係になっている本作は、パワーアップしたものであり、是非とも日本公開してほしいものであった。

ステファヌ・ブリゼ監督は、エールフランスでの賃上げをめぐるストライキを始めとした一連の経営者と労働者の対立、フランス市民の怒りにフォーカスを向けた。彼は、2013年に作らせた工場の閉鎖により1,120人に及ぶコンチネンタル社労働者の困惑を描いたドキュメンタリー『La saga des Conti』に登場したXavier Mathieuを共同脚本家に選び本作を作り始めました。本作における唯一のプロの役者であるヴァンサン・ランドンが演じる労働組合の指導者にアルセロール・ミッタル社の高炉廃炉を巡る対立で主導者としてメディアを賑わせた男Édouard Martinを重ね合わせました。こうすることでなるべく現在フランスで起きている真実に迫った作品を作ろうとしたと監督は語っています。

架空の会社Perrin Industrieの労働組合は、2年前に団体交渉の結果賃金抑制・保険料免除と引き換えに5年間の雇用が保証を勝ち取っている。まだ3年の契約が残っているのだが、企業の大元であるドイツグループが国際競争の観点から利益率の低いフランス・アジャンの工場を閉鎖することを決意する。当然ながら労働者はたまったもんじゃありません。労働組合を統括するLaurent Amédéoはメディアを味方につけ、大統領、国家をも巻き込む交渉へと発展していくのだ。

大ごとになったことで、ドイツのP.D.G.(最高経営責任者)との交渉に辿り着けた組合を待っていたのは壮絶な闘いであった。P.D.G.は労働組合を披露させ分裂させる為、あるいは退職金を得て逃げ切る為、長期に渡って工場を閉鎖する。最初は工場を占拠して、会社に打撃を与えようとする労働者であったが、彼らにも生活がある。延々とストライキをしていたんじゃ食って生きていけないのだ。弱ったところに、少し譲歩してみせる経営陣。それにより組合は、なんとしてでも雇用を維持すべく闘う者と経営陣の譲歩を受け入れいち早く食うための仕事に戻りたい人とで分裂していく。また、メディアは組合の暴力的な側面を中心に取り上げ、それにより組合の内部でもドン引きする者が現れ、どんどん空中分解していく。それをなんとしてでも調整していこうとするLaurent Amédéoのヒリヒリする攻防に、観ている方も当事者さながらハラハラするのだ。

本作は明らかに『ティエリー・トグルドーの憂鬱』から一歩抜け出し、ケン・ローチやダルデンヌ兄弟が描く社会的弱者の闘いものからも一歩踏み込んだ世界を描いている。フランスはストライキの国、フランス的言い回しに従うのならManifestationの国だ。しかし、そんなフランスですら、グローバル企業という国すら超えた巨人を前にすると、手の内で疲弊させ内紛を勃発させ窒息死してしまうのだ。

現在、Uberを始めとしたギグエコノミーが世界ビジネスのトレンドとして台頭しようとしている。最初は、一見自由で羽振りがいいビジネスだと思えるのだが、それは社会に企業のビジネスモデル依存をもたらす種まきでしかない。つい先日12/5にはウーバーイーツユニオンが一方的な賃金引き下げがあったとウーバージャパンに講義を申し立てた。それに対し、ウーバージャパンは配達員を労働者と認めない強固な姿勢でカウンターを仕掛けた。ケン・ローチは、労働者の立場を下げるギグ・エコノミーの危険性について、引退返上して『家族を想うとき』を作る形で警鐘を鳴らした。

ステファヌ・ブリゼもより一層貧富の格差が、広がりそれによりもはやManifestationで持ってしてでも倒すのが難しくなった現代社会の厳しさを鋭く指摘してみせた。

日本では、配給会社が版権を買っているようなのですが未だに公開目処が立っていない。これは調和を乱すのを良しとせず、静観しかしない日本人も観ないといけない作品だ。特に2019年に入ってジェットコースターのように凋落していく日本にとって重要な処方箋だと言えよう。

余談ですが、本作にて2018年カンヌ国際映画祭コンペティション作品は全コンプリートしたので私的受賞結果を発表します。

パルムドール:バーニング 劇場版
グランプリ:LETO
脚本賞:KNIFE+HEART
男優賞:ユ・アイン
女優賞:安藤サクラ
監督賞:濱口竜介
審査員賞:イメージの本