シネマスナイパーF

アップグレードのシネマスナイパーFのレビュー・感想・評価

アップグレード(2018年製作の映画)
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逆ロボコップ的な話だけど、スピリットはロボコップなどを継いでいる
伝統的であり新しいという、小規模なジャンル映画に求められる「面白い」条件を見事にクリアした佳作ではないでしょうか
こんだけダークでノワールちっくな映画ならもうちょっと艶っぽい夜を切り取ってくれていればドストライクだったなというのが正直なところですけども


基本的に楽しいバディものなんですが、ステムがだんだんと主人公を彼の望まない破滅へと上手いこと引きずり込んでいく恐怖がまたかつてのダークなSF感を増していていいんですよね
深層へと近づいていくほどに主人公の初めの意志からは離れていく恐さ

SF的なガジェットやデザインに関しては正直そこまでフレッシュではないんですが、やはりアイデアの数々が秀逸と言うべきか
主人公が数少ない真人間だということが実はカギになるという話で、その主人公は古い技術を廃らせないような職業をしているという
その結末がアレなんだから気が重くなりますよね

真似したくなるアクションがあるのが素晴らしい
あの完全制御された格闘は全くもって新しいと言わないまでも、圧倒的に強い感じが気持ちいい
特に、体の一部を改造したサイボーグの方が動きは人間臭くてステム搭載のグレイの方が機械っぽい感じとか堪らないものがある
機械に体を委ねていることを表現する独特なカメラワークはフレッシュ
変なフィックスで追い続ける感じが不気味
ステムモードでのロボ歩きはすぐに真似できる


公開規模が小さく非常にもったいない
超オススメ