雨宮はな

アメリカン・アニマルズの雨宮はなのレビュー・感想・評価

アメリカン・アニマルズ(2018年製作の映画)
4.0
だいぶ高くついた大人への通過儀礼は、若さ=馬鹿さともいえるものだった。
「自分は何かを持っていて特別」なんて、優しく聞こえる嘘がはびこったからこそ起こった悲劇を本人たちが伝えてくれる。

またも日本のPR映像はよくできていて、あたかも「老人のフリして貴重な書籍を盗み出す」ことがメインのように思えていたけどそれは違った。
あくまで若者が自問自答や葛藤、自己に対する不安と向き合って、エネルギーを社会が望まない方向に放出した結果をたどるものだった。

最後に彼らのその後が紹介されるが、文面だけで言えばアメリカは日本よりも前科者に優しい気がした。
「若者がやった(構成の余地がある)」からなのか、土地柄なのか、そう見えるだけなのか。
でも、許されるだろうという根拠のない自信がなければできない、あまりにもずさんな計画だったと思う。

反面教師、自分を振り返るための材料にとても優秀な作品。
雨宮はな

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