バーバリアン

アメリカン・アニマルズのバーバリアンのネタバレレビュー・内容・結末

アメリカン・アニマルズ(2018年製作の映画)
4.7

このレビューはネタバレを含みます

青年の背伸びと失敗を、あまりある緊迫感と共に描いた作品だった。
大学生という大人にも子供にもなりきれない、高校の延長のような日々。私も同じ大学生であり、日々に刺激を求める人間として彼らの想いや理想に共感できるところがある。しかしそれは頭の中にあることであって、現実では淡々と生きていくことが、大学生としてこれからの社会で生き抜くために学ぶべきことでもある。彼らは理想を現実にしようとした。
彼らが強盗決行を形にするまでは、想像の域を出ないながらも、少しずつ現実を帯びていく妙な浮遊感があった。
決行が迫れば迫るほど、現実は重くのしかかり、何者でもない彼らはひどく困憊していた。その足掻きが私には堪らなかった。とても青くて鈍臭くて、悪行ながらも背中を押したくなった。
結構後は大惨事と事後報告で描かれるが、そこの会話がまた、彼らの青さを更に引き出すものだった。
発端が嘘だったかもしれないというのだ。

この作品に出会えて良かったと心から思う。
バーバリアン

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