かなち

アメリカン・アニマルズのかなちのレビュー・感想・評価

アメリカン・アニマルズ(2018年製作の映画)
3.5
わかる。
特別な事をして、人生が変わる。
「これをすると絶対に何かが変わる」って思う瞬間。
他の人の人生を聞くと、全部が濃密でキラキラして見える。
知らない世界はどこにあって、どうしたら行けるのか。

元恋人が「大学時代はサークルにも入らず、同じ暗い友達たちとずっと麻雀をしてた。朝までやったら近くの定食屋まで行って、食べたら帰ってまた打ってた。」って言った時、羨ましかった。
中学生の時、学校のフェンスが破られてるのはもう卒業した先輩たちが授業を抜け出して、近くのマクドに行くために開けた穴って知って、いいなと思った。
元恋人は、サークルに入ってて女の子と遊んでる人達が羨ましかったって言ってたけど、私は「なんでそこに自分は居なかったんだろう」って思うぐらい羨ましかった。

私が朝まで麻雀をしても人生は劇的には変わらない。
たかが麻雀だし、この映画もたかが本。
だからそこに手を伸ばしたいし、変えたい。
キラキラしてると思ったから手を伸ばしたのに、実際は違う。
スタンガンで気絶はしないし、叫び声は頭から離れず、ことの重大性に気付いて、ただ生活してるだけで神経がすり減る。
変えたかったけど、変わってしまった。

ゴッホも自身は劇的な人生とは思えなかったと思うけど、関係ない外の人間からしたら劇的で竜巻みたいな人に見える。
みんな誰かの生き方に憧れるし、未知の激ヤバな人生に憧れるね。

麻雀の役、未だに全然覚えられないな。
かなち

かなち