Inori

アメリカン・アニマルズのInoriのネタバレレビュー・内容・結末

アメリカン・アニマルズ(2018年製作の映画)
3.6

このレビューはネタバレを含みます

なかなか面白い手法(現実に起こったことを再現する形のようなやり方。時々現実の人物がインタビュー形式で出てくる)映画だと思った。編集も軽快だし映画好きが撮りたくて撮った映画なんだろうなと感じた。私は95%この話は嘘だと確信して観ていた。現実の人物のわざとらしさも計算のうちなのか、何なのか…。(調べてみたら)本当の人物でした!!!過去に観たことがあるドキュメンタリーに比べると、本当の人物のインタビューが嘘っぽいのを感じ、これは嘘だと思ってしまったようだ。いわゆる、俳優ではない人が、ドキュメンタリー風に演技をすると、あーなるのである。『15時17分、パリ行き』の気持ち悪さである。リアルな感じを出そうとしているのは分かるけど、どこか気持ち悪い。あれだ。

私は一周回って、本当の話風にしておきながら実際は全部嘘だと思っていたので(『ファーゴ』みたいに)、なんだそうなのかという感想。でも映画は面白かったしスリルがあって楽しめた。

ひとつだけ言いたいのは、自画像は鏡を見ながら書くので、出来上がりの絵は必ずミラーイメージになる。スペンサーはどうやって本当の自分を描くことができたのでしょう。(あれはミラーイメージではなく、誰かが彼を見ながら描いた絵だ。)鏡を見ながら描いたわけがない自画像を画面上に置くことにより、「スペンサーが描いたんじゃないよ、これは現実じゃないんだよ」という密かなメッセージを送っていたんだと思っていたが、なんかただのミスなんじゃないかと思えてきたよ…。
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