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アメリカン・アニマルズのkazataのレビュー・感想・評価

アメリカン・アニマルズ(2018年製作の映画)
4.5
図書館に所蔵されている激レア本を盗み出して売り飛ばす計画の結末やいかに?──と、実際の事件を映画化した本作ですが……これまたトンデモナイ傑作映画でした!

クライム・サスペンス風でもあり青春映画でもあって見ていて普通に面白いのだけども、本作の何がスゴいかって、文字通り"虚実入り交じった"企画・構成となっているところ!
(イーストウッドの『ハドソン川の奇跡』と『15時17分、パリ行き』の間にあたるような作品で、加害者側の視点から再構築して語られる物語…の途中で『オーシャンズ11』をブッコんだ感じでしょうか)

実在の御本人達登場のドキュメンタリー部分と、彼らの証言から事件を再現したフィクション部分とが見事に混在しながらも、最終的には"フィクションの優位性"を示して終わらせているところにシビレるほど感動しました!
(リアルをフィクションが上回っているというか、リアル世界の中でフィクショナルな部分が重要な役割を果たしていることがわかるというか……言語化するのが難しいんですが、要するに単なる再現ドラマで終わるんじゃなくて"劇映画"になっている!って思うわけです)

特に、ラストにかけてさらっと"ある人"がスクリーンに登場することで本作の格が一段と高まっているのと同時に、"決して過去の過ちは無くならない"という彼らが今なお抱えている後悔や無念の気持ちが痛いほどに伝わってきてズーンと感動してしまいました。

『聖なる鹿殺し』のサイコ・キッズことバリー・コーガンがまたもやいい味醸し出してくれてます!
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