試写会にて鑑賞。
満たされない生活環境を変えるために４人の大学生が起こした強奪事件の負の連鎖が結果的にヒリヒリ痛いです。
実話を描く劇映画の合間に、実在の犯人たちと家族、教師はおろか被害者までもが基本単体で登場しての告白シーンを要所要所に挟んでいく斬新な構成に最初は戸惑いましたが、つまり本作は細かい所まで当事者が語る真実のみで構築されていると分かってくると一気に作品に重圧が増して来ます。
大学の図書館から画集の「アメリカの鳥類」などの高価な希少本強奪を計画する過程で、犯人達はあらゆる犯罪映画を観て画策するシークエンスなどを前半はスタイリッシュでノリノリ的な編集が成されています。
しかし犯行以降の顛末にかかる後半では、言い様のない虚無感が襲って来る多重構成は、なかなか興味深い展開で斬新です。
