全く新しいノンフィクション、ドキュメンタリー、ドラマ。
ノンフィクションとはいえ、
盛ってるよね?本当は作り話だよね?
って疑いたくなって、
引き戻されて、
また疑って。
なんなんだ、新感覚。
現実と理想の交差。
人間として生まれてきた以上、誰もが一度は「何者」かになりたいと願うはず。
「それ」を願うのは、とりわけ、親の干渉から解放され、幾ばくかの経済的自由を手に入れた頃。
若さと、勢いと、自分に対する期待と希望と。
「それ」が思うように芽生えない自分への失望。焦り。苛立ち。
何者にもなれないことを認めたくない。
自分は、違う。
彼ら4人もそれを求めて、悩み焦り、無謀な事をしでかした。
映像技法や演出、あの映画のサントラ、そもそもターゲットとなった『アメリカの鳥類』がアートオブアートであり
いわゆるお洒落なミニシアター系にカテゴライズされるだろう一方で、
実際の犯罪が元であり、犯人達を出演させることで、共すれば終始重苦しくなってしまいそうな題材。
エンターテイメントとして娯楽消費させるのではなく、
息苦しいほどの現実を見せつけるドキュメントでもなく、
絶妙なバランスで仕上げている監督の抜群のセンス。
監督の言うように
ディズニープリンスのようなキラキラ俳優ではなく、
今そこですれ違ったような彼らだからこそ、惹かれた。
間違いなく2019年上半期のベストムービー!
ドキュメンタリーが苦手な人にもおすすめ。