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アメリカン・アニマルズのsaekoのレビュー・感想・評価

アメリカン・アニマルズ(2018年製作の映画)
4.5
全く新しいノンフィクション、ドキュメンタリー、ドラマ。

ノンフィクションとはいえ、
盛ってるよね?本当は作り話だよね?
って疑いたくなって、
引き戻されて、
また疑って。

なんなんだ、新感覚。
現実と理想の交差。

人間として生まれてきた以上、誰もが一度は「何者」かになりたいと願うはず。

「それ」を願うのは、とりわけ、親の干渉から解放され、幾ばくかの経済的自由を手に入れた頃。
若さと、勢いと、自分に対する期待と希望と。

「それ」が思うように芽生えない自分への失望。焦り。苛立ち。

何者にもなれないことを認めたくない。
自分は、違う。

彼ら4人もそれを求めて、悩み焦り、無謀な事をしでかした。


映像技法や演出、あの映画のサントラ、そもそもターゲットとなった『アメリカの鳥類』がアートオブアートであり
いわゆるお洒落なミニシアター系にカテゴライズされるだろう一方で、

実際の犯罪が元であり、犯人達を出演させることで、共すれば終始重苦しくなってしまいそうな題材。

エンターテイメントとして娯楽消費させるのではなく、
息苦しいほどの現実を見せつけるドキュメントでもなく、
絶妙なバランスで仕上げている監督の抜群のセンス。

監督の言うように
ディズニープリンスのようなキラキラ俳優ではなく、
今そこですれ違ったような彼らだからこそ、惹かれた。

間違いなく2019年上半期のベストムービー!
ドキュメンタリーが苦手な人にもおすすめ。
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