えむえすぷらす

アメリカン・アニマルズのえむえすぷらすのレビュー・感想・評価

アメリカン・アニマルズ(2018年製作の映画)
5.0
Point of no return を越えてしまったとき、人は何を思うのか。

凄い映画を観た。冒険と思っていたものが人を傷つける罪であると知るがもはや取り返しのつかない事だったと気付く物語。

冒険で浮かれてるところは共感してしまうかもしれない。でも人を傷つけパニックとなり挙句に計画的と思い込んでいた彼らの実態が露わになった時彼らを嫌う人も多いと思う。でもその先で彼らがどう思ったか。何をやったのか、何が起きたのか知る中である人が彼らの罪について率直に語る事で全体像をはっきりと見据えている。

犯罪を肯定なんかしていない。犯罪を冒険と勘違いして取り返しのつかない事を犯してしまった若者とそれにより痛みや恥辱を受けた犠牲者の声をはっきりと伝えている作品である。

追記:オーデュポン「アメリカの鳥類」は全4巻で日本の私立大図書館で稀覯書として所蔵している所がある。「事業の失敗で破産したオーデュボンは『アメリカの鳥類』に再起をかけたが米国内では出版元が見つからず、苦労の末にイギリスで出版。435枚の手彩色銅版画集は図鑑の傑作と大評判となった。数枚ずつ定期的に届く完全予約の販売方式は、本の通信販売の先駆けといわれている。」(明星大学図書館)

4冊ある事を調べていたように見えない展開がなんともいやはや。