このレビューはネタバレを含みます
面白かった。
実録犯罪ものというテーマで描くべきことが全て詰まっている映画だと思う。
実際の人物が出たり、
ちょっとグラフィカルな表現だったり、
映画演出としてセンセーショナルな描き方をしている箇所も多くて、
観ていて退屈することがないのも高ポイントだと思います。
オーシャンズシリーズのパロディみたいなシーンもあったけど、
あれをただのギャグシーンとしてじゃなくて、後半にある実際の強盗シーン(あえて乱暴な書き方にします)の悲惨さというか、
怖さが際立たせる役割を担ってて上手な作りだと思いました。
その後も失敗が失敗を呼ぶ負の連鎖とかも、ともすればギャグにも見えちゃう電話番号のシーンとかも、
「非日常」って、そんくらい人を狂わせるんだという感覚がしてホントに怖かった。
そうなんですよね、犯罪って怖いんですよ。
「何を当たり前な」と言われても仕方のない感想だと思いますが、
当時流行っていた不良映画をちゃんと『暴力映画』として描いた井筒和幸の「ヒーローショー」や、
時代劇の殺陣を『刀を用いた殺人』として描いた塚本晋也の「斬、」のように、
エンタメや痛快復讐劇としての側面を描かれるが多い「ケイパーもの」というジャンルをちゃんとした実録強盗映画として描いていてとても良作だと思いました。
ポスタービジュアルや予告編で受けた印象とはだいぶ違う内容の作品でしたが、
実は自分はこういうのを求めていたんだなぁとしみじみ感じました。
何だかんだ実録犯罪もの好きなんすよねぇ。
