Kota

アンドレア・ボチェッリ 奇跡のテノールのKotaのレビュー・感想・評価

3.3
“何も見えていなくても、全て見えていると感じるんだ。”

盲目の歌手ボチェッリの半生を描く。前半の幼少期に45分と類を見ない程尺を使い、完全に盲目になる過程を丁寧に描いているから不覚にも前半で泣いた。後半は生涯の彼女や、アントニオ・バンデラス演じるコーチが出てきてストーリーが更に広がる。

伝記物はどこで終わらせるかって切り口が個人的に大切で、“マーガレット・サッチャー”とかは終わり方が素晴らしい代表例なんだけど、今作もそれでいうと中々余韻が残る良い終わり方だった。歌にはもちろん圧倒され、イタリアの田舎町は“君の名前で僕を呼んで”の世界に似ていて終始心地よい。
Kota

Kota