ジャック・ベッケル監督が描く画家モディリアーニの悲劇。ジェラール・フィリップとアヌーク・エーメの造形美にうっとりする。写真を見ると、実際の夫妻がそうだった。
モディリアーニの悲劇は他にもアンディ・ガルシア主演の作品があり、またジョニデがアルパチーノ主演で制作しているという。それほどまでにモディリアーニの悲劇は、人の関心を集めるが、ジャック・ベッケルの良心はその悲劇に注目したのではなかった。
生前、世間に才能を認められず、結核でアルコールと女に溺れる自暴自棄の破滅的芸術家は他にもいるけれど、モディリアーニの実話はもっと壮絶で悲惨だった。
悲劇性があるゆえに絵画作品の評価が上がる、ハイエナのような画商や世間をジャック・ベッケルが非難したのだと思った。