にしやん

君がまた走り出すときのにしやんのレビュー・感想・評価

君がまた走り出すとき(2018年製作の映画)
3.5
最近急増中の自治体PR映画や。今回は埼玉県川口市や。川口っちゅうたら昔は吉永小百合の「キューポラのある街」やろけど今回は川口在住の高齢で世界六大マラソンを走破した実在の市民ランナーと市民マラソン大会がモチーフになっとう。
映画の自体の出来は、自治体もんの制約はあるんやろけど全然悪ないわ。派手さはあれへんけど、基本に忠実にしっかりと作り込んどう印象や。ストーリーや脚本はオーソドックスやねんけど、ちゃんとしっかりしとうし、6人の登場人物の背景もちゃんと描いとう。伏線の回収もちゃんとやってる。最後のほうにちょっとしたサプライズもあるしな。
役者やけど、まず主役の寛一郎がええ。芝居も上手やし、存在感もある。この映画の役に合うとうわ。キャスティングの勝利やな。それに脇も皆ベテランで安定感あるし。
人は外見では何もないように見えるけど、人それぞれにどうしようもない闇を抱えて生きんねん。それでも自分の幸せを追い求めて、一所懸命毎日生きてんねんな。偶然知り合った性別、年齢層もバラバラな仲間とのマラソンを通して、それぞれが抱えてるもんを必死で乗り越えていく姿に、おっちゃんベタやけどちょっとホロっとしてもたわ。わしも歳往ったんかな、涙もろなったわ。
「失敗とは転ぶことやない、起き上がらへんことや」の映画の中の言葉が妙に気に入ってしもたわ。これからわしも使わしてもーらおっ。
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