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猫の恩返しのshihoのレビュー・感想・評価

猫の恩返し(2002年製作の映画)
4.0
ジブリ作品でありながら、宮崎駿監督の「もののけ姫」とか「千と千尋」とか、あれらの超大作とは一緒に出来ないけど、軽い鑑賞ものとしては大変満足のほんわか癒しムービー。

高校生のハルは、ねぼすけでちょっと抜けてて、今日も学校に遅刻して、好きな男の子には美人の彼女がいて、うっかり転んだりして、冴えない毎日を送っています。

そんなある日彼女はプレゼント箱を咥えた猫がトラックに轢かれそうになる現場に居合わせ、危険を覚悟で救出します。

そうするとなんと、その猫が2本足で立ち上がりお礼を述べたではありませんか!
「危ないところを助けて頂きありがとうございます。すみませんが急いでいるので、お礼は改めて。」と。

その夜、猫の大名行列みたいなものがハルの元に現れ、猫の国の王様が直々にお礼を言いに来ます。

なんとハルが助けたのは、猫の国の王子様だったのです!

この作品は、全体的にほんわかしているのですが、実はかなり怖い話です。
猫の国の王様はハルを王子の妃に迎え入れようとし、半強制的に使いの者に攫われてしまいます。
猫の国に入るとハルの体は猫サイズに小さくなり、次第に耳が生えヒゲが生え猫化していってしまうのです。
そして夜明けまで元の世界に戻れないとハルは猫になってしまうのです。

それを助けてくれるのが猫の事務所のバロン(猫男爵の人形。人の手によって想いを込めて作られたので、魂が宿った。)と、
ムタ(巨体の白猫。口は悪いが根は優しい。大物。)と、
ガーゴイルからカラスになるトト。

もうねとにかくバロンがカッコいいの。
所作一つ一つがマジ紳士なの。
抜け道の滑り台を滑り落ちるシーンさえカッコいいのやで!
人間の世界へ戻るまでの長い塔を駆け上がっててハルが走り疲れたら、お姫様抱っこしてくれるんやで!
惚れるわ〜笑
素敵♡
ムタには「キザ」って言われてるんだけど、彼は本物のジェントルマンなの。

ムタは毎回笑わせてくれる大物。
動けるデブって感じ(笑)
バロンとムタの信頼関係も好き。
王様に対して啖呵を切ったハルに、「いいぞハル!俺はハッキリした女が好きなんだ」(うろ覚え)って言うセリフが好きだった♪

この映画で一番好きなのは、攫われたハルを猫の事務所のトリオが追うシーンですね。
まずシフォンケーキにホイップ載せようとしてた二匹がハルのピンチに気付く絵から好きなんです。
そしてバロンを上に載せたカラスのトトの飛行描写がいいんです!
躍動感とスピード感、上下の使い方がうまい!

主人公の性格も素直でかわいらしくて天然ですごく好きだった。声もかわいい。なんと中の人は女優の池脇千鶴さん。私彼女の演技ちゃんと見たことないけど、声優業をここまで上手にこなしてしまうとは、ただ者ではないと思いました!

おっかない内容のわりに猫の国側のツメが甘々でコメディータッチに描かれています。
老害の王様と有能な二世という図も好きでした。

お姫様抱っこして階段登っておいて、
「ハルは軽いからな」ってサラッと言ってくれるバロンは素敵です。彼はわかってるわ。でもムタも好きよ♡

最後カラスの上を歩くシーンはナウシカへのオマージュにも感じました♪
あとムタがトトと口喧嘩してるとき、「靴墨」(黒いから)とかのあとに「まっくろくろすけ〜」って言ってた(笑)

最後のバロンの
「また君が本当に私たちが必要になったら、猫の事務所の扉は開かれるだろう…
その日まで!しばしの別れ!」
って言いながらトルネードジャンプしてトトの背中に飛び乗るところはさすがにキザ過ぎて笑いました☆

人生3度目くらいの鑑賞だったけど、細かいところまで観られて面白かった。
映画って、耐え忍んで最後まで観るもんじゃないよね!
面白い作品ってちょっと観て寝ようと思ってたのにウッカリ最後まで観ちゃうし、
何回も観たくなるんだよねぇ♪

トトロと合わせて疲れたときにポチっと再生ボタン押したいグループの仲間入りですにゃん(*ΦωΦ)☆
主題歌の「風になる」もいい〜!


あとね、この王様が昔の上司に似てて、表向きいい人だったけど、あ〜あいつすけべオヤジだったんだな〜ってなんか納得しました(笑)
(私はガードが固かったので手出してこなかったし、その手の発言もオールスルーしてやったけどね!)
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