lingmudayan

アイカのlingmudayanのレビュー・感想・評価

アイカ(2018年製作の映画)
3.0
クリスマスに観たのでアイカが出産直後にチキンの処理に従事するシーンで申し訳なさを感じてしまった。姉に向かって「子どもを5人も抱える貧しい人生が幸せなの?私は自分自身の人生、自分自身の仕事を見つけるわ」と言い放つアイカも、キルギスからモスクワにやってきて多額の借金で事業を興すも失敗して借金を踏み倒し(しかしその夢は忘れられず事業マニュアルは肌身離さず持っている)、育てられない子どもを病院に置き去りにし、日銭を稼ぐ仕事を探しているというどうしようもない状態なのだ。傷ついた犬が血を流しながら子犬に乳をやっているシーンの後で、股間から出血しながら与える相手のない乳を搾ったり、最後に売り飛ばされるはずの子どもに泣きながら乳をやったりするアイカの対比が本当に厳しい。終始アイカをクローズアップで追い掛けるカメラによって、観客はこの厳しさに肉薄させられる。
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