koyo

読まれなかった小説のkoyoのレビュー・感想・評価

読まれなかった小説(2018年製作の映画)
3.7
トルコの静かな街で育った青年の憂鬱な叫び

久しぶりに難解な映画を観たような気がした。物語は基本的に淡々と進む。時々、繰り広げられる青年と人々の宗教や社会に対する哲学的な会話。現実かと思ってたシーンが夢であったり。

自分も全くそうだと思うけど、自分を通してしか世界を理解しようとしない傾向がある。その点はシナンも同じだったのかと思う。自分が無知な存在であることを忘れる。でもそれは若者の特権でもある。議論できる事が何より素晴らしい。

険悪であった父親との関係も、最後の雪解けから時が解決してくれたというか、シナンの考え方が変わった事が大きかったと思う。親父さんがシナンの本を宝物だといった場面で涙。
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