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引っ越し大名!のkuuのレビュー・感想・評価

引っ越し大名!(2019年製作の映画)
3.8
『引っ越し大名』
※新垣結衣さんと星野源さんが結婚 ドラマ「逃げ恥」で共演。😊おめでとう。
土橋章宏(『超高速!参勤交代2014年』 - 『サムライマラソン2019年』などの原作を手掛けてる作家)の時代小説『引っ越し大名三千里』を、
星野源主演でなんかなまくらな様で切れる刀みたいな感じがあってたなぁ。
高橋一生に高畑充希の共演もなんか仲良さそう(『おげんさんといっしょ』てNHK総合テレビでたまにやってる音楽バラエティーでも高畑充希は共演してるしなぁ)、
『のぼうの城』の監督犬童一心がメガホンで映画化ってなんか頷ける。
時代劇に歌や踊りが入ってのドタバタ劇ながら十二分にたのしめました。
お話は、
姫路藩書庫番の片桐春之介(星野源)は人が苦手で、いつも書庫に引きこもり書物を漁っとる(整理とかこつけて)。幕府から豊後(大分県)の日田(近くの福岡甘木にしばらく逗留してたおり、日田は天領で肥沃な土地やときいてたが)への国替(お引っ越し)を云い渡された藩主の松平直矩(実在の人物)
余談ながら松平直矩は『土芥寇讎記』によると
『美小人を愛せらること、この体の事は非とすべからず。聖人にも一失あり、況や凡人をや。その上偏愛の心なしといえば害あるべからず。』と書かれとって、
『ジャニオタ的美少年を好みってあるけど、こないなことは非とは云えない。“聖人ですら一失ある”モンであり、ましてや凡人(聖人などではない一般人)であるから。それに極端にその道を暴走しているわけでもあらへんし(藩政上)大した問題になることではない』とされとる。
また、「当時誉の将と世以(て)沙汰す」ともされている。
そないな逸話がこの作品にも笑いの華は添えてましたよ。
話は戻り、
松平直矩は、度重なる国替からの借金と、今までにない遠方への引越し、さらに減棒(石高を下げられる)と、国の存亡が危うくなるほどのヤバいピンチに頭をかかえとった。
この国難を乗り切れるかは、国替えを仕切る引っ越し奉行の手腕にかかっとるんやけど、前任者は激務が原因ですでに亡くなっていて、国替のノウハウも失われていたんやけど。
そんな中で、書物好きなら博識や!ってだけの理由から、春之介が引っ越し奉行に任命されてしまうから騒動が面白おかしく展開してく。
星野が春之介役を演じとって、春之介の幼なじみで武芸に秀でた達人である鷹村源右衛門役を高橋一生が演じ、前任の引っ越し奉行の娘・於蘭役を高畑充希が演じる。
松平直矩は、7度の転封(国替え)を経験したことから『引っ越し大名』とも呼ばれた江戸時代前期の大名す。
1年前に引っ越し、やっと落ち着いたかと思ったら、またすぐその1年後にも転封(領地替え)を幕府から命じられとりまはし。
現在でいえば『転勤族』かな。
余談を重ねますが、片桐春之助はおそらく(間違ってたらご教示お願いいたします)架空の人物じゃないかな。
春之助が着てる着物の家紋は桜やけど、桜の家紋てのは江戸期では好まれなかったらしい。
武将が使っとった家紋てのは腐るほどあるけど、 桜をモチーフにしたモンは意外にない。
家紋の多い図版に梅があるけど、桜は扱いがかなりちゃう。短命、 儚さなんていったイメージが武家に関しては相応しくなかったんやと思う。
着物にある紋ちゅうのは武家の家柄を表す大事なモン(紋とモンをかけて)、 短命や散るみたいな意味合いがある桜が避けられんのは縁起的にも当然だといえる。
てことで、桜の紋を使っとれ歴代人物なんてのは存在しないし、モデルもいないってことになりやす。
春之助はキャラ的要素から桜の紋が使われたのかは分かりかねますが😊
kuu

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