あお

引っ越し大名!のあおのレビュー・感想・評価

引っ越し大名!(2019年製作の映画)
3.5
迂闊であった…まさかこんなところでこんなに素敵な高橋一生を拝めるとは。主演の星野源をさしおいて、代表作の一つと言えそうな活躍ぶりである。喜怒哀楽が豊かで、体育会系の男前。コミカルな面もあれば、身体を張った殺陣もみられる。
ミッチー演じる、残念だけど情のある殿や、高畑充希、濱田岳、小澤征悦、ずん飯尾もいい感じ。キャストが皆良いので満足感は高い。というか向井理やら丘みどりやら、無駄に贅沢すぎる。

ストーリーは終始中途半端さがつきまとう。主役は人見知りの書庫番で、4日飲まず食わずで大量の書籍の内容を頭に叩き込むような、努力家で賢い設定。その特性が買われて引っ越し奉行になったはずなのに、途中頼りない面ばかりがフューチャーされて現実味がない。鷹村との対比であるはずの「文」の要素をもっと活かしてほしかった。
ただ登場人物たちの人情は最後に感動を伴って完結するし、途中の盛大な殺陣を見て、総合エンタメショー(あれもこれもと欲張る)にしたかったのねと、制作方針の理解はできた(謎のミュージカルタイムはなくてもよかったと思うが)。実在する「引っ越し大名」の話ではあるので、架空の薄っぺらい時代劇ショーでもないのが救い。
結びの物語は胸が熱くなるが、これも史実なのか?だとしたら素晴らしき実話である👨‍🌾
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