海猫

引っ越し大名!の海猫のレビュー・感想・評価

引っ越し大名!(2019年製作の映画)
3.2
原作小説は新刊で出た当時に読んで、面白かった印象がある。映画になるというので気にはなっていたが、ようやく鑑賞。時代劇としてはかなり現代的でポップな作り。コメディー要素は特に前半が強い。主役の星野源がかなり頼りなさげで大役を押し付けられてオロオロする様が可笑しい。が、後半になるにつれ芯を持った人物になっていくし、ドラマとしてもシリアスさが増していく。引っ越しのため城内を断捨離していく過程は、映像としても見応えがある。展開の変わり目でミュージカル風の場面が入るのは、メリハリが付くという意味でも効果的。ただし、後半で引っ越し行列が襲撃される場面はちょっと気になった。時代劇なのでチャンバラシーンを盛り込もうという、意図なのだろう。が、あまり混戦乱戦の見せ方が上手くないし、流れとしてちょっと浮いている感じがある。良くも悪くもサービス精神のある映画で、概ね面白く鑑賞。高畑充希がハツラツとして良かった。脇では出番少ないながら、ピエール瀧の存在感が作品のテーマを深めていて好演。
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