鳥さんの瞼

書くが、ままの鳥さんの瞼のネタバレレビュー・内容・結末

書くが、まま(2018年製作の映画)
3.3

このレビューはネタバレを含みます

刺さるべき人にきちんと刺さりそうな作品だと思いました。
子供と大人の青春、百合(強引)


全体的にフレッシュなムード。
グレイッシュな青みがかった色味が夏っぽく学生っぽく良い。
意欲や工夫の感じられる構図、カメラワークが多かった。
面白いカットにしようという、というような。
(軽薄だという意味ではありません)


舞台は中学校。
主人公に対してのいじめ・学校の対応がテンプレート的で、若干現実から浮いているように思う。
が、あくまで物語の装置であり、
そもそも主人公はじめ設定がややファンタジーなので納得がいく。

オーラのある主演はじめ、役者さんが皆絶妙。
主人公と飼育委員の子の話かと思ったら、
主人公と先生の話でかなり驚いた。
青春のキラキラ!だけでは済まないかっこ悪さがあり、
これがこの作品を心安く観られる間口を広げていると思う。


主人公の成長物語。
内向的な女の子が勇気とともに声を獲得してゆく。

先生に救われた生徒が今度は先生を救いたい……という筋書き。
いい意味で子供っぽく、作品のムードと一致している。


ラストはこってり。
いじめっ子最後までイヤだったな……と思っていたら、飼育委員の子がここで活躍。アツい。

それまでは結末にノレるかしら……と不安だった。大丈夫だった。
(序盤の主人公・先生間の絆描写を物足りなく感じていたのでした。)

きちんと盛り上がれました。
どうしようもない場所からの逃走の刹那ってロマンチック。


個人的にいちばんグッときた演出は
保健室に貼られた悪口が、主人公の言葉に入れ替わっていたところ。
正直周りのMVみたいな部分はどう受け取ったらいいかわからなかったけれど、
この演出は象徴的だと思った。



宣伝画像にぴんとくる人、
女性同士の絆を少しでも見たい人は観て損がないと思います。
鳥さんの瞼

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