このレビューはネタバレを含みます
主人公が口数少ないタイプで静かな中に鉛筆と紙がこすれる音が心地よくて、音にこだわって作られた作品かと思いきや、セミの鳴き声が……。はじめは、セミの鳴き声の鬱陶しさで思春期のしがらみや心の葛藤を描こうと試みているのかと感じたが、登場人物が自身の感情を声にのせているであろう場面でもセミの鳴き声の方が大きく、集中できなかった。
また、高速道路の地名看板により経由を示してはいたものの、主人公がどの辺りに住んでいるのかはっきり言及されていなかった中で急に車で盛岡に行こうとするのは謎。
エンドロールが流れる早さと音楽が合っていないように感じるなど、違和感があったシーンは書き出したらきりがないが、中村守里ちゃんの表情は好きだった。